認定法上の条文で定められた公益目的事業

公益目的事業の定義とは法律で定められた事業になります。

具体的には認定法第2条第4項において次のように記載されています。

「学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するもの」

そして、当該条文における別表各号は認定法別表(第2条関係)に以下の一~二十三のように列挙されています。

一 学術及び科学技術の振興を目的とする事業

二 文化及び芸術の振興を目的とする事業

三 障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若しくは犯罪による被害者の支援を目的とする事業

四 高齢者の福祉の増進を目的とする事業

五 勤労意欲のある者に対する就労の支援を目的とする事業

六 公衆衛生の向上を目的とする事業

七 児童又は青少年の健全な育成を目的とする事業

八 勤労者の福祉の向上を目的とする事業

九 教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養することを目的とする事業

十 犯罪の防止又は治安の維持を目的とする事業

十一 事故又は災害の防止を目的とする事業

十二 人種、性別その他の事由による不当な差別又は偏見の防止及び根絶を目的とする事業

十三 思想及び良心の自由、信教の自由又は表現の自由の尊重又は擁護を目的とする事業

十四 男女共同参画社会の形成その他のより良い社会の形成の推進を目的とする事業

十五 国際相互理解の促進及び開発途上にある海外の地域に対する経済協力を目的とする事業

十六 地球環境の保全又は自然環境の保護及び整備を目的とする事業

十七 国土の利用、整備又は保全を目的とする事業

十八 国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業

十九 地域社会の健全な発展を目的とする事業

二十 公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びにその活性化による国民生活の安定向上を目的とする事業

二十一 国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保を目的とする事業

二十二 一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業

二十三 前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるもの

つまり、条文の指定している公益目的事業の

「学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するもの」

とは

「上記に列挙された23事業であって、かつ、不特定かつ多数の者利益の増進に寄与するもの」

である必要があります。

ここでさらに不特定かつ多数の者」「利益をそれぞれ掘り下げると「不特定かつ多数の者」とは社会全体を意味しており、誰しもが一律に受益の機会を得られる状況にある必要があります。また「利益」とは、一部の人にとっての利益ではなく、一般的に誰しもが利益となるものである必要があります。

「不特定かつ多数の者」についての具体例としては、受益の機会をインターネット上で公表し、社会において機会を均等に開いてある場合は認められますが、仲間内にのみ個別で受益の機会を連絡し、社会において機会を均等にしてない場合は認められません。

また、「利益」についての具体例としては、健康診断など一般的に有益なものは認められますが、税理士の会計事務所経営の助言など一般的ではなく特定の人にとって有益であるものは認められません。